高齢者の生活保護


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高齢者の生活保護

増える高齢者の生活保護

増える高齢者の生活保護 生活保護の受給者数が2012年7月に212万人の過去最高を突破しましたが、この背景に高齢者の人口増と高齢者の貧困問題があることは間違いありません。年金が十分に貰えない高齢者は働けなくなると生活保護に頼るしかないからです。
従って、生活保護受給世帯に占める高齢者世帯の比率も、1980年の30.2%から2006年は50.2%に増加しています。また、現在、実数ベースで生活保護を受給している高齢者世帯は約54万世帯で、10年前の約2倍となっています。
例えば、日雇い労働者の街として知られた東京・山谷は、現在、生活保護を受ける高齢者の街に変遷しています。かつて日雇い労働者の宿泊施設だった1泊2,000円程度の簡易宿泊所は、現在は生活保護を受ける高齢者で満杯です。
そして、山谷の簡易宿泊所に入居できない生活保護の高齢者は、NPOが運営する無料低額宿泊所を探すしかありません。
つまり、最も援助が必要な人達に生活保護費は届いていますが、家の無い高齢者にとっては生活保護費だけでは暮らしていけません。
政府は無駄な公共投資をするよりも、生活保護を受ける家の無い独居老人のための施設を早急に建設すべきです。


高齢者の生活保護費

高齢者の生活保護費 厚生労働省の資料によりますと、高齢者の生活保護費は東京都区部の単身世帯の場合で月額80,140円、夫婦世帯で120,440円となっています。また、地方郡部の単身世帯の場合で月額62,960円、夫婦世帯で94,620円となっています。
従って、ここから家賃や水道光熱費を差し引くと、僅かな食費で生活しなければなりません。勿論、家賃の安い都営住宅などへの入居が優先的に確保されていますが、決して十分とは言えません。
また、高齢者の生活保護制度は住む場所の確保も含めて、年金制度とリンクして考える必要があります。つまり、高齢者の最後のセーフティーネットとして生活保護制度を整備するのか、最低年金を整備するのかという問題に対する議論が足りません。