諸外国の類似制度


Top > 諸外国の類似制度

諸外国の類似制度

先進諸外国の公的扶助制度

先進諸外国の公的扶助制度 先進諸外国の公的扶助制度のポイントは下記の通りで、各国とも非常に似通った制度になっていると言えます。そして、生活費や住宅費は殆どが現金給付される制度を採用していますが、その給付金額だけを単純に比較した場合、日本の生活保護の給付額よりも高い国はありません。特に、日本の給付額はスウェーデンやフランスの給付額の2倍になっています。 しかし、給付額だけで日本の生活保護の水準が高いとは言い切れません。何故なら、社会保障全体のシステムの中で、給付と負担を見なければ比較できないからです。 その意味では、「高負担・高福祉」の国と「中負担・中福祉」の国と「小負担・小福祉」の国を一概に比較することは適当ではありません。 日本の生活保護の給付額が多いことは確かですが、生活保護受給者の生活水準が必ずしも高いとは言い切れないからです。

特長財源基準
「イギリス」(16歳~59歳) 生活費は現金給付、住宅・医療・介護は他の制度で対応全額国庫負担全国統一基準
「ドイツ」(年齢制限なし) 生活費と住宅費は現金給付、医療・介護は他の制度で政府+州+市州と市は独自
「フランス」(25歳~64歳) 生活費は現金給付、住宅・医療・介護は他の制度で全額県負担全国統一基準
「スウェーデン」(18歳~64歳) 生活費と住宅費は現金給付、医療・介護は他の制度で全額市の負担国と市の基準

アメリカの公的扶助制度

アメリカの公的扶助制度 一般的にアメリカの公的扶助制度の水準はヨーロッパ諸国に比べて高いとは言えないというイメージですが、細かく中身を吟味しますとそうとも断言できません。 只、アメリカの公的扶助制度で言える事は、現金給付ではなく現物給付が主体になっているということです。現在のアメリカの低所得者支援制度は下記の通りです。

フードスタンプ食料品購入補助年間予算718億ドル
婦人・乳児・子供向け栄養補助プログラムミルクなどの補助年間予算67億ドル
学校給食プログラム昼食の無料提供年間予算97億ドル
住宅選択バウチャー制度家賃補助年間予算1,818億ドル
低額所得者向け医療保険制度医療保険年間予算4,014億ドル

一方で、現金給付であるアメリカの貧困家庭一時補助は1家族当たり年間8,000ドルで、5年間の有期制で就労訓練とボランティアが義務付けられています。
日本の生活保護受給者の1/4は10年以上、半数は5年以上支給を受けているのとは大違いです。
アメリカのこれらのプログラムの特長は、必要な人が必要な時にサービスを受けられるということです。日本の様に生活費の最低水準を設定して、それ以下の世帯の生活費を丸抱えするのとは発想が違う訳です。
そして、アメリカの公的扶助制度の全てのプログラムに掛かる予算は、国民1人当りで計算すると日本の3倍程度の水準なのです。
従って、現金給付の金額だけで単純に比較することは意味の無いことと言えます。