生活保護の受給資格


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生活保護の受給資格

生活保護受給の基本的な考え方

生活保護受給の基本的な考え方 当然のことですが、生活保護制度は生活が苦しい人なら誰でも受給できる制度ではありません。生活のレベルは人それぞれですが、生活苦の感じ方も人それぞれだからです。
そして、誰でも現在の生活レベルを維持するには、生活費が十分ではないと思っています。その様な中で生活保護を受給するには、一定の受給資格要件を満たさなければなりません。
生活保護受給制度の基本的な考え方は、国が定めた最低生活費を下回る世帯に生活費を補填するということです。
従って、働ける人が働かない場合や放蕩三昧や贅沢三昧した挙句に生活費が枯渇した場合などは、生活保護の対象にならないことは当然のことです。
そして、国が定める一ヶ月の最低生活費は地域によって異なりますが、概ね、一人暮らしの場合は6万円~8万円で、二人暮らしの場合が9万円~12万円、三人暮らしで12万円~15万円となっています。
従って、高齢や病気や親の介護などで全く働けない場合や障害者の場合はこの金額が生活保護費となりますが、就労や年金などの収入がある場合は最低生活費と収入の差額が生活保護費となります。


具体的な受給資格要件

具体的な受給資格要件 生活保護受給の前提条件として働ける人は働くことが求められます。
そして、現在、就労していない人は就労の努力をすることが求められ、就労している人はより収入の多い仕事を探す努力が求められます。
つまり、働ける状況にある人が働かない場合は、基本的には生活保護の対象にはなり得ない訳です。また、働き方にも一定の基準が求められます。例えば、売れない絵を描き続けることや売れない小説を書き続けることなどの非現実的で収入の得られない仕事は、就労の努力をしているとは解釈されません。つまり、最低生活費も稼げない人が、売れない絵を描き続けることや売れない小説を書き続けることは妥当ではないと解釈されます。
従って、健康で働ける状況にある人は、自分の希望する仕事ではなくとも直ぐに収入に直結する様な仕事に就くことが求められます。
これらを前提にした上で以下の受給資格要件を満たさなければなりません。
受給資格要件の1つ目は資産の所有は認められないことです。
ここで言う資産とは、不動産・自家用車・預貯金・貯蓄性生命保険・貴金属・宝石・パソコンなどです。つまり、生活保護を受給するには、これらの資産を全て生活費に充当しても、尚、生活費が足りない状況でなければならないという考え方なのです。また、パソコンについては、状況によって所有が認められる場合もあります。
受給資格要件の2つ目は身内の援助の有無です。
ここで言う身内の援助とは、三親等以内の扶養義務を意味します。つまり、親兄弟子供は相互に扶養の義務がある場合が考えられます。例えば、高齢者の最低生活費が不足する場合は、子供が援助できないかどうかが調べられます。つまり、子供は裕福な暮らしをしている場合に、親が生活保護を申請しても認められない場合があるということです。
また、成人した子供の生活費が足りない場合に、親の生活に余裕がある時は援助できないかどうかが調べられます。しかし、いずれの場合も、未成年の子供の扶養義務を除いて強制することはできません。従って、親族が援助を拒否した場合は、生活保護が認められる場合もあるのです。
受給資格要件の3つ目は他の制度からの収入の有無です。
生活保護は言わば最後のセーフティーネットです。従って、生活保護の申請の前に申請できる制度は全て利用した上で、それでも最低生活費に届かない場合に生活保護の受給が認められます。例えば、高齢者の場合は年金や介護保険を受給しているか否かです。稀に、貰える筈の遺族年金などを受給していない場合があるからです。
また、母子家庭の場合は児童扶養手当や児童手当などを受給しているのか、失業中の場合は失業手当の受給が確認されます。
従って、これらを受給した上で、それでも最低生活費に届かない場合に生活保護の受給資格要件を満たすと考えられます。
この様に生活保護の受給資格を得るには、出来ることとやるべきことを全て行った上でそれでも最低生活費が不足する状態でなければ受給条件をクリアできません。
そして、生活保護は他の行政サービスとは異なり、適用の条件を満たすためにプライバシーに相当踏み込んだ個人情報をケースワーカーに開示することになります。
従って、被保護者の個人情報に対する、ケースワーカーや行政窓口の適切な取り扱いが求められることは言うまでもありません。